天智天皇と腹赤② 赤いオーロラとは

前記事で、〝天武帝の頃は極光赤気(低緯度オーロラ)を「腹赤駒(はらかのこま)」と表現した〟という伝承があることを紹介した。

まずは、〝極光赤気(低緯度オーロラ)〟がどういうものかを確認しておこうと思う。

オーロラの見え方について

太陽風(太陽から吹き出される荷電粒子の流れ)が地球に吹くと、大気成分によって発色する。それがオーロラだ。

出現する高さによっても色が違う。
地上からの高さで原子・分子の種類と密度が違うからだ。

言葉ではわかりにくいので図にした。

高度によるオーロラの色の違い
高度によるオーロラの色の違い

高度 約200km ~ 500km / 赤色
高度 約100km ~ 200km / 緑色
高度 約80km ~ 100km / 紫色ピンク

端的に言えば上が赤く下が緑。
(光の三原色なので赤と緑が合わさる部分は黄色に見える。)

地上に一番近い部分は紫(スペクトル的には青)が入る。

 

この図はあくまでもイメージだ。

 

地球は丸い

地球は丸いので、緯度の違いでオーロラの見える部分が違ってくるということが出てくる。

つまりこう。

オーロラの見え方

アラスカで見えるオーロラ

次の画像はアラスカで撮られたオーロラの写真。

アラスカのオーロラ
パブリック・ドメイン, Link

2の模式図の通り、高緯度なので緑色だ。

 

ニュージーランドで見えるオーロラ

次の動画はニュージーランドで撮影されたもの。2の模式図で言うとB地点の見え方になる。

(映像作家KAGAYA氏youtube公式チャンネルより)

きれいで赤い

北緯35度に位置する東京でオーロラが見えたとしたら、やはり上空の赤い部分が見えることになる。それが低緯度オーロラ、つまり色は赤となる。

条件によって見え方は違う

オーロラは英語で〝northern lights”もしくは〝southern lights”ともいう。
磁極を中心とした円状の部分に発生するので、北か南に見えるからだ。
方角や時間が、夕焼けor朝焼けとは違うということだ。

条件によってはこういうオーロラも見える。
必ずしも2で示した図の通りではないことを付け加えておく。 500px.comのYiannis PavlisによるCosmic rainbow

参考: